夏の惨めさについて

7〜9月の間に5日間夏休みを取れるのだが、既に4日消化してしまった俺を、夏は置き去りにしないでいてくれるだろうか。

  夏、観念的には幾らでも理想を掲げることが出来るが、実行に移すのは難しかったり、いざやってみると、こういう事じゃないんだよなあという気持ちになったりする。冷やし中華を食べたい筈なのに、空腹を感じなかったり、そうめんの茹で加減を間違えたりする。冷房に震えながら優れない体調で起床する朝もあれば、布団からでれなくて仕事に行けない事もある。

昼から露天風呂のある銭湯へ行き、蝉の声を聴きながら木漏れ日を浴びたのはとても良かった。夏の水風呂は、水泳が苦手だった俺をセンチメンタルにさせる。サウナの中で観る高校野球の中継でファウルが多いと寿命が縮まる。球児は永遠に年上に思える。スタンドで応援している3年生の事も無下にできない。

8/10 渋谷wwwで台風クラブのライブを観た。気怠い夏、「成仏すんなよ、セプテンバーが来ちまうぜ。」というボーカルの言葉に鳥肌が立つ。ネバーヤングビーチの夏のドキドキがコニーフランシスのオマージュ(という表現が相応しいかは自信がないが)である事を知った。

メインアクトのラッキーオールドサンは、何というか、バンドサークルで彼らは大学4年で俺は1年、憧れで密かに恋心を抱いてる女先輩が彼氏のギターで歌ってるみたいな感覚になってしまい(事実、2人は入籍している。)、また、周りにいた男どもも音楽を分かっているような風貌でいささか苦しい気分になり、架空の夏合宿が心の中で繰り広げられ、終いには途中で退出してしまった。好きなバンドだっただけに、心に余裕が無いと聴けない音楽もあるのだと思った。どうしようもない。ラーメンを食って帰宅した。渋谷はどうも肌に合わない。

8/11 朝5時に目覚めて、ああ、これはイケるなと思いビールを飲んだ。洗濯をして、サンドイッチを作り、コーヒーを淹れ、読書をする。人生でこんなにスッキリとしている朝はあっただろうか、というくらい頭が冴えている。シャワーを浴びて、神保町でやってる銭湯のイベントに行く。ステッカーやZINEを少し購入した。その後に寄った喫茶店といい、こんなにキュートな女の子が街にはいるというのに…という惨めな気持ちになった。うまく言葉に出来ないのだが、直接的には関係の無いような物事を続々と思い出したりしてしまい、路上で嗚咽した。まだ、咽び泣いてはない。その後も飲酒を続けた。